|
------- Stories translated from Nepalese folk tale books. ------- 民話のようなたわごとのような
制作・翻訳 美珠和文化研究会 BISHUWA Culture Committee 題字画 明石六郎 / E-mail oichni06@ingnet.or.jp すべての文書と画像は著作権法で保護されています。無断複製禁止。 |
|
第9話 不死の実 -下-
|
|---|
|
挿絵 明石六郎 |
|
さて、不死の実。自分が食べるにはもったいない気がしたので、実の父のように慕っている老人に食べてもらおうと決め、ラメシュワルはそれを義父に渡した。ところが老人はその果物をかわいい若い方の嫁にやって、若い嫁はさっさと食ってしまった。これを見ていた古女房、怒って爺さんとけんかをおっぱじめた。 その様子にラメシュワルは悲しくなったとさ。 ラメシュワルは婆さん女房に言った。 「その果物は私が何とかもうひとつ手に入れましょう。私と一緒に来てください。」 古女房とラメシュワルはどこへ行くんだろう? 前にひどい目にあった崖の上に着いて、…さあ、私を蹴り落としてください… 食い物の恨み! 婆さん女房はおもいきりラメシュワルを蹴り飛ばした。どっぷ〜ん。またまたガンガの登場。 …何がおこったんえ?… ラメシュワルはできごとを話し、…不死の実を持って帰らないと家にけんかが起こるんです… 「そう。そやけどその果物はラクシュミ(注1)がくれたもの。あいにく私は持ってないんや。どうしてもって言うんやったら彼女のところへ行こか。さあ!」 ![]() ガンガ、ラメシュワルを連れて、あっという間にラクシュミのところ。 「せっかくだけど、あれは私もサラスワティ(注9)からもらったものなのよ。彼女のとこ ろへ行きましょう。」 ラクシュミとガンガ、ラメシュワルを連れてサラスワティのところへ。 「その果実は、それはそれは美しいある果樹園からもらってきたものですからして、今ここにはありませんのですわ。まか不思議の不死の実の成るその果樹園には一人のご婦人がいらっしゃいますことですし、ごく近くの村ですから、その果樹園へみなさんうちそろって行ってみましょうじゃありませんか。」 サラスワティとラクシュミとガンガ、ラメシュワルを連れて、そのかぐわしきところへと、うちそろって出かけていった。果樹園の中ほどには一つの美しい小屋。そんな光景を見るだけでラメシュワルの心はうきうき。 サラスワティとラクシュミとガンガ、ラメシュワルを外に残して果樹園へと入る。若く美しい婦人が3人の女神を迎えた。サラスワティは不死の実をひとつ求める。婦人の言うには、 「その果実は夫のためにとってあるものでございます。彼の許しなしには申し訳ありませんが差し上げられません。今ここに夫はおりませんが、どう致しましょう。」 考えこむサラスワティ。そして三女神はお互い顔を見合わせた。そう、実は外で待っている男は彼女の夫に違いない。うなずきあって、婦人にそれを告げる。婦人もはっと思い当たって外へかけ出す。やはり夫のラメシュワル! 別れて久しい夫を見て、涙があふれ、彼の腕に飛び込んでいった。 ラメシュワルも驚きの眼で見つめるばかり。妻ではないか! 妻は、夫と別れた日からのことを語った。夫が必ず来てくれると信じて待っていた、と。 見知らぬ男に差し出したはずの妻がこんな所にいたのだ。あの男は実は、他ならぬ神の使いだったのだ。 すべてのことがわかってくると、ラメシュワルは嬉しさに踊りだすほどだった。 さてそこで、不老長寿の実の果樹園の管理人となったラメシュワルは、妻と一緒に幸福な人生を過ごすこととなった。 サラスワティとラクシュミとガンガ、ラメシュワル夫婦を祝福し、さてこれで善しと、それぞれの世界へと帰って行った。 |
完|
Bridge to Nepal ネパールへの架け橋 |
|---|