いじめ意見交換の場



No103<1社会人>


いじめの発生原因と防止対策とについて
------------ 教育荒廃の撲滅

人間と社会との関係の観点から、下記の「1 原 因」以降いじめの発生原因と防止対策とについて根本的に考えてみました。そのため本稿は、いわゆる多様な事例を挙げる「現場方法論」、「現状論」または「経験論」ではありません。
また本稿はいじめのみならず、各種マスコミの伝えるような小・中・高・大等の学生による覚醒剤の服用・売春(=「援助交際」と同義)をはじめとする各種犯罪、創造性のない学習及び教師による生徒への体罰・女子学生への破廉恥行為をはじめとする各種犯罪、利益主義に基づく学校経営等の全般的な教育荒廃にお ける発生原因と防止対策とについてもあてはまることと考えます。

1 原 因
原因は、教育の真の目的であり当然なことでもある「立派な人間を育てる。」という強い観念が社会とその影響を受ける家庭において確立されていないことによるものと考えられます。
そしてその原因の背景となっている代表的なものが、次の2項目です。

(1) 教育の経済・技術至上主義化
次のア項についてのみを極端に教育し、イ項を実施しないことです。
 ア 実利的な教育科目(知育に相当)
  大東亜戦争敗戦後の経済復興に不可欠な経済・技術至上主義の実利的な教育科目のこと。
 イ 徳 育
  戦前においてはとても重要な教育科目としてきちんと実施していたものであり、漢学、儒学、先祖の偉業、人間愛、礼儀、至誠、努力、根性、思いやり等の心豊かな尊い人間性を教える教育のこと。

(2) 大東亜戦争敗戦後の社会風潮
敗戦後から今日に至る日本そのものの姿でもあり、家庭及び学校を含めて社会全体に大きく悪影響を及ぼしているものです。代表的なものとして次の諸点を列挙することができます。
 ア 愛国心の消滅、イ 悪平等主義、ウ 拝金主義、エ 過度の自由要求、オ 道徳軽視、カ セックスの奨励、キ ことなかれ主義の政策、ク 義理人情の抹殺、ケ 俗吏・俗僚の横行、コ 享楽主義、サ 恋愛至上主義、シ 家族制度の崩壊、ス 民族的歴史観の否定

2 対 策
教育の真の目的である「立派な人間を育てること」、及び「人間は教育次第でどうにでもなること」を重要視かつ強く認識し、次の2項目を厳然と実施することが必要です。これは代表的な対策であり、学生にしっかりとした自覚が養われ家庭や学校が楽しくなる基礎となります。

(1) 家庭及び学校における徳育の整備・実施
家庭においては円満な家族関係(鍵っ子、不倫、暴力の発生等のない家 族)を築くと同時に、両親が前記「1(1)イ 徳 育」についてその重要性を認識し子供に対して迎合することなくきちんとした躾教育を実施します。家族全員が共通意識を持ち一緒になって考えます。

一方社会側の学校においても同様に教師が人間愛、自己責任、個性(但し、「個性」と「欠陥」とは同意義ではありません。そのため「個性」には利己主義、幼児化等の意味も当然含まれておりません。)、公正、人間としての誇り、先人の偉業、先祖への畏敬、礼儀、ストレスに屈しない根性、思いやり等の 尊い人間性について具体的な内容を載せた教科書を用いて明確に制度化した授業を実施します。教師及び生徒の全員が共通意識を持ち一緒になって考えます。
更には道徳の入試科目化を次の要領で実施することが必要です。

 ア 入試の目的
  知育だけでなく、徳育も同格に養わせ、道徳科授業(徳育)を教育制度の中で明確かつ重要な存在に位置づけること。
 イ 入試の内容
  平易であり、先人の偉業、偉人の生涯、先祖、伝統、文化、人間性等について問うものとする。
 ウ 入試科目化に伴って除去する事項
  入試、学校、生活等において次の諸点を排除することが必要です。
  (ア) 行動の伴わない知識のみを利用した偽善
  (イ) 試験の点数による人柄の判断材料化

(2) 敗戦後の社会風潮の是正
社会風潮は一般に人と相互影響の関係にあり、人の行動・生活・思考型式を全く別の形に変えてしまうほど大きな影響を持ちます。特に10代への影響は非常に大きいものです。社会風潮次第では、善悪の基準が逆転し物事についての人の一貫性のある善悪の判断を忘れさせ、人間的にも法的にも禁じられることを 容易に起こすことがあります。例えば、「皆がやるから、流行っているから、テレビ・ラジオでやるから、雑誌・新聞に書いてあるから、自己の利益が1番であるから、金のためなら」等の正当かつ主体的な批判性と自己責任とを持たない無批判無責任及び人間性の不在、これらに基づく社会風潮は、本稿で問題にしていることを引き起こす原因の大きな1部となっています。
このため、前記「1(2) 大東亜戦争敗戦後の社会風潮」とは反対の各個人の善悪の判断を忘れさせず、公正な批判精神を絶えず育成し、そして心の拠り所にもなる良識ある社会風潮を形成することが必要になるのです。
そこで、私達皆がいじめをはじめとする教育荒廃及び社会風潮について問題意識を持ってそれらを具体的に是正していくことが重要かつ必要なのです。

おわりに
江戸時代の寺子屋での基本的な教科書である『小学』の中において、孟子の言葉として「飽食暖衣逸居して教えなければ即ち禽獣に近し」が掲載されています。正にいじめをはじめとする今日の日本の教育荒廃の核心を突いているといえます。すなわち、単に極めて当り前のことをしていないだけな訳です。
天然資源が殆ど存在せず、海外依存度が致命的に高い国土の狭い日本にとって資源とは、人的資源、すなわち人材です。誇りなき国は消滅します。21世紀において日本を世界史から消滅させてはいけません。そのためにも、先ずは家庭教育の充実及び私達皆が傍観することなく問題・危機意識を持って内容の豊かな確固とした道徳科授業(徳育)の制度化の実現を「従来の単なる教育行政のジェスチャー等として終わらせることなく」、そして学生に迎合することなく具体的に進めていくことが重要かつ必要であると考えます。



〜意見1〜

男性:23才:大学生:匿名:

はっきり言いますが事実誤認があると思います。また時代錯誤的なところも大きいのではないでしょうか。たとえば、(2)のアの項についてですが、家族制度の崩壊、というのがあります。戦前の家族制度、というのは、たとえば農家のように、搾取、被搾取、という関係、また労働力の確保、家長制度などの要因によってあったもの、といえます。特に、労働力の確保については重要な問題であったことでしょう。しかし、現在のように機械化された農業ではむしろ生産に対して、労働力は余ってしまいます。たとえ、大規模に農業をやっていたとしても、です。こうなってしまった理由が、あなたの挙げるそのほかの項目によるものである、ということは否定はしませんがあまりに時代錯誤的であることは否めません。また、社会風潮を変えるには、今や世界的な”改造”が必要でしょう。社会風潮は、むしろ、世界的な政治、経済要因によって変わるものです。インターネットをお使いになっているあなたなら容易にわかるでしょう。人との相互影響だけでむしろ語れません。日本はあなたが述べられているとおり、資源の乏しい国です。だからこそ、資源を得るためには、産業を発達させねばならなかった。そのためにも、現在のような為替レートのなっているのであって、そのレートで考えると、日本の農業は崩壊状態になり、子供は農業を馬鹿にし、田畑は減り・・・・・・と、続いていくうち、子供は生命のふれることさえ少なくなっていく。このことこそ、いじめが起こるもとではないでしょうか。たとえ鍵っ子だったと しても、こどもは経験から生命の尊さをまなぶことが出来るのではないでしょうか。
 たとえ、江戸時代であっても、戦前であっても、いじめはあったはずです。仮にあなたが戦前生まれで、その時代を見てきていた、あのころのいじめはこうだった、若しくはなかった、といい張っても、なかったことの証明にはならないのです。もし、罪科を犯すものがいなかった時代、というのがその時代に当てはまるのなら別ですが。

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