いじめ意見交換の場



No86<まずもって、「いじめを生みださない人間関係づくり」が大切>


私は小学校教諭です。新採6年目です。今6年生の子どもたちと毎日を過ごしていますが、彼らを見ていて非常に心配していることがあります。それは、人間関係を調整するスキルがあまりに未熟だということです。友だちとの間で、ささいなすれ違いが生じてもそれを調整していくすべを知らないように思うのです。
その結果、学級内に「無視」や「陰口」がはびこり、とうとう「いじめ」を生みだすことになるように思われます。
子どもたちの人間関係調整スキルが未熟なことを嘆いていても仕方ありません。教員として、親としてどのような対応が必要か、私の考えをまとめてみました。

○子どもの悩みや苦しみに共感はするが、手を出さない
友だち関係で苦しんでいる子どもたちの声をしっかり聞いてやることが必要だと思います。当然のこと で今更私が言うべきことではないかもしれません。
しかし、教師や親がすぐに助け船を出すことはつつし んだ方がよいと思うのです。子どもの話を聞いてやりながら「では、これからどうすればいいかな?」というように、子どもと一緒に今後の方策を考えていくことが必要だと思うのです。そうすることによって、子どもの人間関係調整のスキルが少しずつ磨かれていくのではないでしょうか。昔から「子どものけんか に親は口を出すな」と言います。でも、場合によっては積極的に友だち関係に大人が介入していかなくてはならないこともあります。ささいな「けんか」がいじめに発展しそうな場合についてです。

○いじめについて考える授業をおこなう
先日、いじめについて考える授業をおこないました。「友だちから、心を傷つけられたこと・傷つけて しまったこと」を発表してもらいました。そんなことを友だちの前で言うのは、とても勇気がいることで す。でも、十数人の子は発表してくれました。その中で何人かは、涙を流しながら「つらかった」ことを話してくれました。
このようなことを発表できるということは、自己開示をできているということだと思うのです。この子たちは、いじめについて前向きに考えていくことがこれからできるのではないでしょうか。これは、担任の贔屓目でしょうか?。
また、発表を聞いている子どもたちは、その子たちに共感していくものです。なぜなら、みんなそうし た傷つけられた経験をもっているからです。
心を傷つけられた経験を勇気を持って発表し、それをクラスメイトが受け入れる。そんな何でも言える 学級の雰囲気をつくっていくことが大切だと思うのです。「自分の苦しみを受け入れてくれる学級なんだ」という安心感が、いじめを生みださない人間関係をかたちづくっていくために必要なんじゃないでしょうか。




〜意見1〜

匿名


私の小学二年の長男が転校先で、近所の同級生に仲間はずれにされ、暫くは泣いて帰る毎日でした。いじめっ子は、何とかというゲームを持っていない息子に向かって、そのゲームを持っている子だけ遊ぼうと言ったり、下校時に一人だけ外して帰ったりしていました。さらに太り気味の息子が白い服を着ると白豚といってから買ったり、名前をもじってからかったりしていました。担任の先生(女性。50才くらいでしょうか、お子さんが大学生だそうです)の努力で次第に治まってきました。そこまでくるのに二ヵ月くらいかかったと思います。
私が庭にいる時に息子がいじめっ子たちを連れてきて、遊んで良いかと聞くの で、どうぞいらっしゃいと迎えて以来、、今は、いじめていた子が我が家まで遊 びに来たり、その子の家に遊びに行ったりで、遊び仲間になっています。時々は仲間うちで喧嘩しますが、翌日には一緒に又遊ぶという状況です。

父兄懇談会に参加して、いじめの多さに驚かされたのですが、どうも、その中に
は、昔からあった喧嘩や意地悪の類もあるような気がします。一例として、「名前をからかわれたので学校に行きたくないと娘が訴えている」と皆の前で泣きながら報告する母親を見て、自分もこれまで何度も名前をからかった事を思い出しました。でも、その母 親の話を聞く限りでは、これからもクラスが変わる度に言われるのではないかと思える程度のシンプルな名前の言い換えでした。小学校低学年はそれほど複雑なことができませんからね。

いじめっ子と言われた方の親は、複雑な気持ちだったと思います。ところが、先日、うちの息子が喧嘩して、別の女の子を殴ってしまいました。その女の子の親がいじめだと騒ぎ、担任の先生も弱って、自分はいじめだとは思わないが、相手の親が感情的になっているので一言電話を入れてくれと頼んできました。担任の先生は、懇談会の時は、いじめだと思っても、極力親には言わないと言っていましたので、相当な剣幕だったのでしょう。うちに遊びに来る子も数が増えて、毎日交互に行き来する子が4人、時々来る子が女の子も含め5人いますが、子供たちに様子を聞いても、何の事かわからないという反応でした。いじめでなくても、暴力は悪い事ですので、息子を叱り、相手に謝罪の電話をしました。参観日の時に驚いたのですが、授業中に「〜ちゃあん」と言って手を振り合うほど仲が良い親子です。
その日の懇談会では、その母親が加害者の名前は出さずに、暴力事件を皆に訴えていました。後で皆に聞くと、男の子の母親は殆どが自分の子の事じゃないかと言ったので笑いあっていました。いじめというのが過度に受け取られていると、先生たちも大変だし、子供を溺愛する両親・母親には苦労されるのではないかと思います。

いじめだと騒いだ女の子の親については、担任の先生もいじめではないと言われ
ているのですが、乱暴なのは確かです。気に入らない事があると、すぐに手や足
が出ます。学校や公園で遊んでいるのを見ていると、いつも遊んでいる友達には、お互いに境界線が分かっているようですが、前述の女の子のように、殆ど遊ばない子供とコミュニケーションがうまく取れず、口で言い負けると手が出て、応戦されると足が出るようです。注意すると分かったとは言うのですが、担任に確認すると、時々手足が出ているようです。
ただ、多くの被害者の親は、喧嘩だと受け取って、いじめだと騒がないだけです。治るものなのか、このまま続くのか、酷くなる事があるのか気が重い毎日です。幸いな事に学校では良い先生に恵まれています
が、親として何ができるのか、悩んでいます。




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