いじめ意見交換の場 |
No95<女性:アメリカ> 私は一年前までコンピュータエンジニアをしていました。 今は休暇を兼ねてハワイで学校に行っています。 時間がある時は "psychiatrist" と呼ばれる医者達が開くクリニックでボランティアをしています。 そこでは、いろんな患者を治療しています。 その中には、登校拒否児やいじめっこも含まれています。 医者達の理論によれば、不登校は、脳の中の細胞のアンバランスによって引き起こされるそうです。 この考えは、日本人の私にはとても理解できないものでした。でも、実際に治療を受けて回復した後、先生にお礼の言葉を伝えにくる患者さんを見聞きするうちに考えが変わりました。 脳の中には、色々な機能を果たす細胞があります。その中には、正常値を超えた、あるいは下回る数になったグループの細胞群が含まれることがあります。 例えば、煙草を止めたいと思いながらも止められない人は、ニコチンを欲する細胞が一定以上多い人がほとんどです。 つまり、脳の中に問題があります。一概に意思が強いから止められる、意思が弱いから止められないという問題ではありません。 これと同じで登校を拒否する子供達の脳細胞にもアンバランスが起こっているということです。 また、いじめる側にも脳細胞異常が起こっているのです。 従って、薬を飲み、そのアンバランスを解消してやれば、すぐ治るそうです。 薬は脳細胞の数をコントロールすることができるからです。 登校拒否の一番の解決策は両方の子供が "psychiatrist" の治療を受けることだと "psychiatrist" は言います。 医者達の話しを聞いていると、とてもシンプルでこのうえなく簡単に聞こえます。 現にアメリカの学校では登校拒否がほとんどありません。その理由の全てが医療体制にあるとは思いませんが、理由の一つにはなると思います。 一般の人に「登校拒否にあたる言葉を英語でなんて言うのか」と聞いても「わからない」と言う返事がほとんどです。登校拒否は一種の医学専門用語のようになっています。 でも、なぜ日本では、そう簡単に行かないのかわかりません。多分、日本の文化がアメリカと違うからだと私は想像します。 でも、いじめが原因で自殺までしている子供達が沢山いて、それで良いはずがないと思います。 根本的な解決ではないかもしれませんが、登校拒否で悩んでいる子供がアメリカの "psychiatrist" の治療を受けるのも一つの方法だと思います。 アメリカは医学の分野、特にこのような治療研究にかけては進んでいるので、日本では難しい治療も一般的になっているからです。 実際に日本語の患者を受け入れる体制のある "psychiatrist" は少ないと思いますが、通訳の確保さえ出来れば協力的な医者を見つけるのは簡単だと思います。 実際に治療を受けることが出来なくても、これだけは解って欲しいと思います。 癌(がん)にかかった人に何の責任もないように、登校拒否になった子供達の人格には何の問題もないということがアメリカでは医学的に証明されているということです。 私は、20年以上前に登校拒否を経験しました。 今、偶然ながら私の精神あるいは心に何の問題もなかったと解って本当に良かったと思っています。 出来れば、この安堵感を今、登校拒否で悩んでいる子供達と共有したいと思いメールしました。 このような考えが受け入れられるか、わかりませんが、もし、 "psychiatrist" に質問したいことがあれば、メールしてくださればいいかと思います。 |
女性:26才:会社員:USA |
あなたのご意見大変興味深く読ませていただきました。 いじめなどの社会現象が脳細胞異常によって引き起こされるという説があることをはじめて知りました。 私も去年までハワイに在住しており、そちらで大学にかよって心理学を勉強していました。 あなたの意見に少し賛成できない部分がありましたので、私の意見を書かせて頂きたいと思います。 あなたはアメリカには登校拒否という言葉自体存在しないとおっしゃっていますが、そんなことはないとおもいます。アメリカにだって、少しニュアンスが違ってくるかもしれませんがそれに相当する言葉があります。それは”SchoolPhobia"といって日本語に訳すとすれば、「学校恐怖症」となるでしょう。 この病気にかかる原因は、いじめだけにはとどまりませんがやはり、子供達は学校に行くことが困難になってしまう病気です。 これは、脳細胞の異常によって引き起こされるものではなく精神的なことから引き起こされる病気だと言えます。 これは"psychiatrist"に行って適当な薬をもらえば治るという簡単な病気ではありません。なにが子供を学校に行けなくしているのかという要因を突き止めてそれを取り除いてやるようにしていかなければなりません。 原因は家庭にあるかもしれないし、友人関係、または勉学の悩みかもしれないのです。 心理学を勉強した者としてこのような心に関わる病気を単に薬を与えることによって治すという意見には賛成できません。 また、日本の登校拒否に悩む子供達が、アメリカの病院に行けばどうにかなるという意見も短絡的な気がします。 日本には日本独特の文化というものがあり、やはりそれを理解している者でないと心のケアをしてあげることは出来ないと思うのです。 一度、心理学のクラスで日本のいじめについての意見交換をしたことがあります。その時、アメリカ人の生徒の一人が ”日本人はどうしていじめられた人間が自殺するの?アメリカだったらいじめられたやつが銃を持って来ていじめたやつを殺すよ” と言ったことがあります。私はこれがアメリカと日本の文化の違いだな。とつくづく思いました。 このように文化によって全く違う見解になるのですからそれぞれの文化に見合った心のケアというものが大切だなと思います。 随分、一方的なことを書きましたがこれが私の意見です。 |